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開発ブログ

2018-03-02

【永久保存版】VR酔い対策

writer : youma

はい!今回はVR酔いについてまとめていきたいと思います

 

VRにはまだ改善すべき部分が多くありますが、その中の一つが「VR酔い」です

「VRは生牡蠣」という名言がありますが、VR酔いを1度でもした人は、酔いを嫌ってなかなかVRをやりたがりません。

そうならないように、VR酔い対策は非常に重要です

 

目次

  1. VR酔いについて

  2. 様々な移動法

  3. 酔い対策

  4. まとめ

 

1.VR酔いについて

そもそも酔いに関してはわからないことが多く、なぜ起こるのかがよくわかっていません

しかし、視界と身体の体幹の不一致が原因だとされており、実際には動いていないのに、VR空間では移動しているといったときに生じやすいです。酔いに関しては「宇宙酔い」という非常に危険な現象を減らすために、NASAが積極的に研究しています。ぜひご参考に!

VR酔いのほとんどの原因がベクション(視覚誘導性自己運動感覚)によるものです。視界の情報によって、実際には動いていないのに移動している感覚を生じる現象です。よく例えられるのが、電車に乗っているときに他の電車が動き出したときに、自分の乗っている電車が動いているように感じますよね。これがベクションです。

 

 

2.様々な移動法

現在VRゲームには様々な移動法が検討されています。その中で一部をご紹介します(あくまで僕が体験した中での主観です)。

 

RawData


    →瞬間移動方式の移動
    →片方の手のセンターボタンを押すことで2Dの線が表示され、
     設置点に魔法陣のようなものが生成されてセンターボタンを離すことで
     その場に瞬間移動することができる
    →完全に1フレームで瞬間移動仕切るのではなく、高速でその場まで移動する
    利点
        →風切り線を表現した集中線が表示されるため、臨場感が生まれる
        →1フレームで瞬間移動するものに比べ、臨場感があり空間把握もしやすい
        →瞬間移動の利点と等しく、非常に酔いにくい
    欠点
        →瞬間移動の欠点と等しく、自由に移動できない
        →臨場感が薄れる

 

Soundboxing


    →音符を左右の手でパンチする音ゲー
    →プレイヤーは実際のポジショントラッキングのみで移動を行う
    →音符が奥から手前に飛んでくるので、それをタイミングよくパンチする
    利点
        →ポジショントラッキングのみなので、理論上酔わない(はず)
        →音符が奥から移動してくるので、臨場感が生まれる
    欠点
        →少ないスペースしか移動ができない

 

TO THE TOP


    →特定の場所を掴んで移動するクライムゲーム
    →つかむ、両手でつかんでそこまで高速移動、両手でつかんでハイジャンプ、
     コンティニュー場所へのリスポーンが存在する
    利点
        →非常に臨場感があり、(主観的ではあるが)楽しい
        →高速な移動もできる
        →慣れれば細かな移動もできる
    欠点
        →等速直線運動などを完全無視しているところがあり、酔う
        →マップの作成が大変(それ自体がゲーム)
            →それ自体がゲームなので汎用性がない
 

To The Topに似たものとしては、このようなものもあります。崖登り移動もメジャーな移動法です。

The Climb

 

酔い対策に関して参考にするところが多いゲームとしては、このEagleFlightです。

EagleFlight


    鷹になって空を飛び回るゲーム
    酔い対策
        →回転するときに画面を狭める
        →くちばしや羽を表示することで、固定点を作成する
        →障害物の近くまで来ると、その方向が暗くなる
    UI
        →画面の端に矢印を表示する
        →他の鷹の移動時の風切り線が見える
        →飛んでる間を醸し出す空気の線を出す
        →くぐる用のリング、加速する
        →空高くまで円形の魔法陣?で目的地を示している
        →ずっと最前面表示されるものが使われている部分がある
        →ぶつかった際は暗転して、墜落しましたと表示される

 

 

3.酔い対策

酔い対策はつまるところ、ベクションを生じさせなければ良いのです。上記のゲームでは

・そもそも移動しない(ワープ移動タイプ、その場で遊べるタイプ)

・体を使って移動することで誤魔化す(クライムタイプ、ジャンプタイプ)

・等速直線運動(まっすぐなトロッコタイプ)

などが使われていました。酔い対策の知見については、EagleFlightにはたくさん散りばめられていたので、後述します。

 

VR酔い対策Tips

・基本的に動かさない

・動かすのであれば等速直線運動

・近くにものがあると酔いやすい

   →近景に物を置かない

   →近景にものが来たときその方向の画面を暗くする

・加減速は酔う

   →加減速する際に画面を暗くする(もしくはぼかす)

・回転軸を無理やり動かさない

   →pitch,yaw,rollでは、roll>>>>pitch>yawの順に酔いやすい気がする

   →CEDECでも分析結果を公演していらっしゃる方がいました参考

   →yawに動かすときは、その方向を暗くする(ぼかす)と軽減される

・頭の動きに絶対に追従させる

   →頭の動きに視線がついてこないと異常に酔う

   →フレームレートの確保

   →特殊演出でやりすぎない(ここ工夫すると面白そう)

・固定点を確保する

   →視界内に固定点があると、そこが基準と感じられるので、酔いにくい

   →鼻や帽子を表示する(EagleFlightではくちばしなど)

   →フライトゲームであればコックピット

   →UIで中心に邪魔にならない程度に照準を描画など

・何事も「ええ塩梅」が重要

   →ロジェ・カイヨワ ではVR酔いもイリンクスというれっきとした「遊び」である

   →酔いにくい人にも考慮するべき(設定で滑らかに移動できるように変更の余地を用意するなど)

   →瞬間移動を乱用すると、現在地点がわからなくなる。30度以上一気に回転させると自分のいる位置がわからなくなるらしい(うろ覚え)。この本 に描いてた気がする(間違っていたらすみません。しかしこの本オススメです)。

 

 

4.まとめ

はい!ということで、今回は酔い対策に関して、大雑把にまとめてみました。ちなみに私たちのゲーム「夜桜ウィザード」では、3つの移動法を実装しています。

・通常歩行(ちょこちょこ移動)

   →少しカクカク移動させている

   →人が歩行するときの感じを極端にしたイメージ

   →小暗転+Ribbonによる風切り線表示

・ダッシュ移動

   →大暗転+風切り線

・ワープ移動

   →大暗転+風切り線

実はこの風切り線ってかなり大事なんですよね。爽快感が増すだけでなく、視界もごまかせるし、移動方向も明確になるので、どっちに移動したかわかりやすくなります。夜桜ウィザードは多くの方に体験してもらい、メンバーのめちゃくちゃ酔いやすい子にもよく遊んでもらいますが、ほとんど酔った人はいません!!

もちろん制作中には、酔いにくい僕でも酔う恐ろしい移動法を実装したこともありますが笑

結局、VR酔い対策はまだ確立されていないので、色々試してみて、自分や様々な人に体験してもらって、そのフィードバックをもとに改善していくのが良いと思います。

ぜひ、夜桜ウィザード も遊んでみてくださいね!